もっとも人間に近い仏尊 それが天だ

異教から仏教に帰依した護法神

 

天(諸天)とは、明王に次ぐ最下層に位置し、如来、菩薩、明王を補佐する役割を持っています。

 

そのほとんどがもともと異教の神でしたが、仏教に取り入れられて仏法を信仰する人々を守る「仏法の護法神」になりました。

 

の姿は様々で、大きく分けると天女形と神将形があります。

天女形は、女性形の仏尊。
宝珠を持ってて、穏やかな表情をしているよ。
五穀豊穣、商売繁盛、安産などをもたらす「福徳神」として信仰されてきたんだ。
神将形は、武具を身につけ怒りの表情をしている仏尊だよ。
魔、仏敵を踏みつけた姿が多いんだ。

 

 

〇梵天(ぼんてん)

 

天の最高位の二大護法神の一人

国土を守り、立身出世を助けます。

お釈迦さまの誕生や涅槃などの絵に、ガチョウなどに坐した姿でみられます。

前身は、バラモン教の最高神・宇宙の創造神ブラフマー。

          教王護国寺(京都)

 

 

 

〇帝釈天(たいしゃくてん)

 

梵天と並ぶ二大護法神の一人

国家の安泰と立身出世を助けます。

独鈷杵(とっこしょ)を持っていて象に乗った姿でみられます。

前身は、武勇と智慧を駆使して世界を支配する、古代インド神話の最高の神インドラ。

          教王護国寺(京都)

          独鈷杵

 

 

 

〇持国天(じこくてん)

 

四天王の一人で、宇宙の中心にそびえる須弥山(しゅみせん)の東方を守護する。

善を助け悪をくじき国を護ります。

刀を持ち、兜をかぶっているのが特徴。

          教王護国寺(京都)

 

 

 

〇広目天(こうもくてん)

 

四天王の一人で、西方を守護する。

国家の安泰を守ります。

「広目」とは、特殊な力を持つ目を意味します。

筆や巻物などを持っているのが特徴。

          東大寺(奈良)

 

 

 

 

〇多聞天(たもんてん)

 

四天王の一人で、北方を守護する。

単独では「毘沙門天」と呼ばれている。

福徳を授けてくれます。

宝棒、宝塔を持っている姿が特徴。

          教王護国寺(京都)

 

 

 

〇増長天(ぞうちょうてん)

 

四天王の一人で、南方を守護する。

仏教の信者を護ります。

戟(げき)と刀を持っている姿が特徴。

          東大寺(奈良)

          戟(げき)

 

 

 

〇阿修羅(あしゅら)

 

仏法を守護する八種の天で構成される「八部衆」の一人。

釈迦如来の従者。

三つの顔、六つの腕をもつ。

前身は、古代インドの鬼神。

          興福寺(奈良)

 

 

 

〇大黒天(だいこくてん)

 

家と商売を繁盛させる七福神の一人

富をもたらし、子孫を繁栄させます。

前身は、古代インド神話の破壊神シヴァの化身マハーカーラ。

もともとは怒りの表情でした。

          西大寺(奈良)

 

 

 

〇吉祥天(きちじょうてん)

 

毘沙門天(多聞天)の妃で、美と福徳をつかさどる仏尊。

浄財と五穀豊穣、福徳をもたらします。

どんな願いでもかなえる「如意宝珠」を持っているのが特徴。

前身は、ヒンドゥー教の女神ラクシュミー。

          浄瑠璃寺(京都)

 

 

 

〇弁財天(べんざいてん)

 

話術、学問、音楽をつかさどる神。

才能を開花させ、福徳をもたらします。

八本の腕で、多くの武器を持つ勇ましい女神。

前身は、ヒンドゥー教の豊穣の女神サラスヴァティーと、智慧の女神ヴァーチが結びついて誕生。

          江ノ島神社(神奈川)

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます 合掌

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